12月21日:今週の市場の見方

今週の見方

出尽くしと言えば出尽くしでしょうが、金利上昇で決着した日銀政策決定会合となりました。週末は朝から堅調で、「売るなら日銀政策決定会合前」とされていた需給が、そのまま素直に出た格好でした。発表後は買い戻しで上がったものの、その後は先回りしていた分の利食い売りに押され、結果としてイーブンに戻った市場という印象です。

その流れの中で、週末の引け後からNY株が上昇し、特によく下がっていたナスダックが反発しました。この影響もあって、日経平均先物の夜間取引は50,330円で引けています。数字だけを見ると、悪くない終わり方だったと言えそうですね。

市場の現状と課題

下がる局面では、とにかくノイズが多くなります。需給で売られやすい時期に入ると、必要以上に悲観的な論調が増え、逆に上昇すると今度は「市場は織り込み済みだった」という話になる。この繰り返しですね。

こうした局面では、外資が本格的に戻ってくるまでは、極端な報道は一巡しやすいと思いますが、それでも偏った見方はどうしても出てきます。筆者自身も、あまりに極論で煽る記事には、正直ドン引きすることがあります。誰もが気にしているテーマほど、断定的に書かれやすいので、そこは注意が必要でしょう。

また、木曜日に日経平均がダメ押しした場面では、強弱がかなり分かれた印象がありました。週末に反発できない大型株が意外に多く、選別色の強さを改めて感じましたね。

今後の展望

今回の反発では、主力大型株よりも材料株系、いわゆる個人投資家が好みやすい銘柄の戻りが早かったです。材料株の多くは、事前に相当調整していましたから、掉尾の一振としては分かりやすい動きでもありました。

ただ、AI関連が反転したこと自体は悪くありませんが、大型株の戻りが鈍いままだと、指数全体としての持続力には疑問も残ります。大きく下がった株が反発しても、ホルダーから見れば買値はまだ遠い、というケースも多いでしょう。

データセンター関連の資金調達が巨額になる点は確かに大変ですが、必要不可欠な投資である以上、資金はどこかから回ってきます。ただし、日銀短観を見ると非鉄あたりの鈍化が気になる部分もあり、高値圏の半導体、特にメモリー系には、やや嫌悪感が出始めているようにも見えます。ですから、今回のAI関連の戻りは、まずは「リバウンド」として軽めに捉え、深追いは避けたいところです。

最後に

現状では、グロースの中でも押し目を作った技術系の好業績軽量株や、換金売りの影響を強く受けたバイオ、電鉄・電力といった「買いにくさ」が先行していた銘柄の動き方を、少し丁寧に見ていきたいですね。

日経平均から少し距離を置いたところが、じわじわと上がるような相場の方が、結果的には息が長くなる気がします。指数に振り回されすぎず、今週は選別と観察を重視したいところです。

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