12月14日:今週の市場の見方

今週の見方

このシリーズで自分が比較的バイオベンチャーなどに力を入れているのは、今の市場が非常に分かりにくいところにあるからです。週末の引けであれば、普通は今週からの動きにそこまで迷うことはないはずですが、ナスダックが下がると日本株も下がる、という単純な見方が支配的になっています。そうなると、週末に指数を避けるような動きをしていたグロース株やTOPIX系の買い方は、どう評価されるべきだったのかと思ってしまいます。ここで個人投資家が「買わなければ良かった」と思うような投げをしてしまうようでは、この市場に希望はないと思うんですよね。

市場の現状と課題

明らかに売り方のターゲットは、米国ではオラクル、日本ではソフトバンクでしょう。ですから、最近上がったテック系は「調整」と割り切って考えれば良い話で、10月から目も当てられないほど売られてきたバリュー株が、やっと週末に上がってきた。それをここまで悲観する必要があるのか、という気もします。つまり、この局面でも日本人は目先投資に終始しているのか、ということなんですよね。

今後の展望

テック関連数社が動けば日経平均が500円、1000円動くことは分かり切っているわけで、悲観するよりも「ほっとく」方が有利だと自分は思っています。結局、日銀がどういう決定をするかよりも、どういう“姿勢”を示すのかが見られているのでしょう。米国が「継続的な利下げ」を取り下げた流れから、日本銀行の「継続的な利上げ」という言い方が出てきていますが、勤労統計や企業の景況感を見る限り、それをはっきり宣言できる状況にはまだ遠いと思います。マスコミやAIアルゴが悪い解釈を広げている面もありますが、自分はむしろ金利上昇は1月の方が良いと考えています。

実質賃金は10ヶ月連続でマイナス。過去は増税、今は家賃や物価上昇が賃金アップに追いついていません。飲食の景況感も悪く、中国問題で京都のホテルが値下げしているなど、メディアは騒ぎますが、全てがそうではないにしても、そうした傾向があるのは事実でしょう。普通に考えれば、はっきりとした動きが出るのは来月だと思います。

最後に

植田総裁が言うベアの数字は、どちらかというと労組側の数字のようにも感じます。企業はやる気はあっても、前年比でそこまで大きな賃上げが本当に出てくるのか、定昇の扱いも含めて少し疑問は残ります。自分は悪い方向に解釈して楽しむより、正面からの勝負を避け、創薬系を中心に見てきましたが、意外と飛び上がる銘柄も多く、結果的に比重が高くなりました。培養シート関連や、第三相まで進んでいる企業が突然動く場面もありましたしね。ということは、ここは日経平均とは関係のない、普通のITやスポーツ、エンタメなどが主役になるのかもしれません。週明けは少し下がりそうな気もしますが、最近は「自分で考える方が楽になってきた」と感じています。

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