何故にポジティブに(8/12お昼の講義)
「12日前引けの日経平均株価は5日続伸。前週末比1,029.19円高の4万2,849.67円で前場の取引を終了しました。」
日経平均が史上最高値を記録し、+1,065円高という大きな動き。関税の方向性が決まったから、ということになっていますが、先日話題になった「自動車関税はどうなるのか?」「80兆円はどうなるのか?」といった案件は、片付いたかのような空気になっています。日経などの報道もそういう論調で、先週は「令和のブラックマンデー再び」とあれだけ騒いでいたのに、まあ自由なものだなと思いますね。だから、売る人はすでに多くが売ってしまっていて、休みに入る関係で損保の一角は売っていますが、事業会社や銀行系、GPIFといった大口の売りはほぼ出ていない状況なんです。
普通ならここから下がって「買い手不在」という話になるところですが、先物業者がしっかり買い上がっているので、相当な買い圧力がかかっています。結果的に売買代金も膨らみ、参加者の中に大きな売り玉を持っているところも少ない。強気なコメントやレポートを参考にした売買が多くなって、なかなか下がらない展開をうまく利用して、効果的に買い上がっているという構図です。
とはいえ、本当に関税問題や企業収益が落ち着いたのかといえば、自分はそうは思いません。米国は先日も書いたように「資金が集まる国」になってきていますし、それなら確かに下がらないでしょう。でも、その恩恵がなければ企業は厳しいですし、各社がトランプ詣でをして利益を差し出すような政策なんて本当にありえるのかとおもってしまいますよね。それによってもっと良くなる、というシナリオもあるのでしょうが、この相場の動き方は、本当に買いたくても素直に買えない、不思議な感情になります。
6997日本ケミコン、4011ヘッドウォーター、3773アドバンストメディア