8月24日:今週の市場の見方

【見逃し配信】史上最高値を更新!背景と今後の展開

今週の見方

大きなイベントだったジャクソンホールでのパウエル議長の発言は、「利下げの可能性を示唆した」という材料で、NY市場は大幅高となり過去最高値を更新しました。マスコミは大賑わいの書き方ですが、「この程度の発言を期待していたのか?」というのが率直な印象です。実際には、恒常的な金利低下や米国政府が望むような展開を市場は期待していたと思います。

市場の現状と課題

最近の動きは「0.5%利下げを期待していたが0.25%に修正された」ということで株価が売られたと書かれていましたよね。少なくとも0.25%は織り込み済みという解釈が週末にはあったはずです。ですから、この演説内容で「買い」という発想は浮かばない。むしろトランプ政権のように強引ではなく「専門家」としての見方は、外国人労働者の減少によって雇用が頭打ちになりつつある、企業の採用も鈍っているが失業率が下がっていないという状況です。。

要するに、働く人は首になりにくく、企業も不透明感から採用を控える。これは金融政策ではどうにもならない部分です。大企業の大規模リストラも確認されていないし、物価も過去の利上げ局面と比べればまだ高い。パウエル議長の発言は「利下げは本来ならしたくないが、市場や政府からの圧力で仕方なく」、という内容にしか見えませんでした。

今後の展望

それでも株価がここまで上がったのは驚きです。本来なら想定通りで一度売られて、その後に戻す程度だと思っていました。ところが会見後に一気に買いが入りました。これは内容とは関係なく、需給相場・アルゴの反応に過ぎないと感じます。つまり、金余りの中で「売り要因で下げたものを買い戻す」光景だったということです。

実際、マスコミの解釈はポジティブすぎると思いますし、それが正しいなら、大手証券のレポートが先に示していた見通しは一体何だったのか、という話になります。

最後に

結局のところ、何を材料に買って、何を売っていたのかは判然としません。専門家が「物足りない」としていた発言でも、ここまで買われる市場は異質だと感じます。自分としては、コツコツと安全性の高いものを狙うぐらいしか出来ないですから、9月配当銘柄を中心に物色していきたいと思います。