3月4日:今日の市場の見方
株価の大きな揺れ自体は珍しいことではありませんが、今回のように、やる気を削ぐような売りとメディアの報道が同時に重なってくると、対応の難しさを感じる場面が出てきます。先日からCTAの資金がほぼ目一杯の状態にあり、下げたときには負担が大きくなりやすいという話をしていましたが、結果としてその部分が意識された展開になった、という見方もできそうです。そこにイラン問題が重なり、トランプ氏の発言なども含めて、短期で収まるのか、それとも長期化するのかという報道が増え、市場が警戒感を強めたところであの商いになった、という流れに見えます。
その場面では、軍需関連やバリュー株といった区別もあまり機能せず、幅広く売りが出た印象です。日本市場は短期売買が多く、ピンポイントで買われる銘柄が多い分、逆方向に動くと下げも速いという特徴があります。半導体のウェートが高い韓国株が大きく下げた動きも、似た構図として捉える向きがあるかもしれません。ただ、新しい理論に基づく運用では、最高収益と最低収益の両方を取りに行きながら将来の成長分野を買う形になるため、値動きのブレが大きくなりやすい面もあります。データセンター関連などで見られるコストと収益の問題については、昨年夏から指摘してきましたし、先週のレポートでも「回復には時間がかかる可能性がある」と触れました。
そうした銘柄が、今回の下げが始まった一昨日に比較的強い動きを見せたことで、違和感を覚えた人も少なくなかったのではないでしょうか。その後の展開を見ると、その懸念が結果的に現実に近い形になったとも受け取れます。こうなると流れは止まりにくく、CTAなどはルール上、損切りを迫られる場面になった可能性もあります。相場では、ポジションが最も積み上がっているところに売りをぶつけるのが定石と言われますが、ヘッジファンドなどがその部分を意識して仕掛けた、という見方もあるかもしれません。
もっとも、これで一連の動きが終わるのかどうかはまだ分からないところです。現時点では明確な買い材料が見えにくい中で、メディアはイランの反撃が長引く可能性を指摘する報道を続けています。ただ、もともと宗教問題を背景としたテロの懸念は以前から存在しており、各地でそうした行動が起こる可能性については、ある程度想定されていた面もあります。本来の論点は、テロ支援国家とされる国が核を保有することのリスクという側面にもあるはずですが、その部分はあまり強調されていないようにも感じられます。
この下落のあと、いったん安心感が出たところで再び売りが意識されるのか、それともメジャーSQに向けて別の動きが出るのか、まだ読みづらい状況です。ちょうど金融機関の換金売りが出やすい時間帯でもあったため、買いにくさを感じさせる下げ方になったという印象もあります。本来であれば、急落のきっかけとなった材料――たとえばドローン攻撃など――を起点に整理されていくのが自然とも言えますが、今回はそうした整理が追いつかないまま値動きだけが先行したようにも見える局面だったのかもしれません。
