5月17日:今週の市場の見方
今週の見方
想定通りというべきか、週末は利益確定売りが入り、市場はやっと目を覚ましたような動きになりました。きっかけはフジクラ電線の急落でしたが、そもそも市場コンセンサス自体にやや無理があったという見方もあり、同社の生産能力や他事業との兼ね合いを考えたら、あそこまで期待を積み上げるのは尚早ではないかという声もありました。ただ、内容そのものはコンセンサス以下とはいえ、売られ方としては少し過剰だった印象もあります。逆に言えば、「では何を期待して、あそこまで買い上げていたのか」という疑問も残りますよね。
週末のキオクシア決算を受けて、もう一度市場が息を吹き返すという見方もありますが、全体としては、ここまで続いてきた短期回転型の投資が一度整理され始めたようにも見えます。筆者が何度も「確認が必要」と言ってきたのは、結局どの程度の数字を期待して株価を買っているのかという部分であり、アンビリーバブルな数字でも出ない限り、簡単に上値を追える位置ではなくなってきた気がするんですよね。
市場の現状と課題
それくらい、ここからの市場は確認作業の続く相場になると思っています。7月後半の第1四半期決算も意識しなければならないですし、イラン問題の影響も徐々に現実味を帯びてきています。加えて、トランプ政権が本当に何を目標として動いているのか、その輪郭も見え始める時間帯に入ってきました。
そうした流れで考えると、一度波乱を入れた市場は、たとえ20日前後のエヌビディア決算が相当強い数字だったとしても、それだけで市場全体を再び押し上げるにはハードルが高いと思うんですよね。関連企業だけが強くて日経平均を支える形はあり得ても、物色の交代や新しいテーマが出てこないと、全体としては苦しくなってくる気がします。
こういう時に、自分は今回不振だった企業群をよく見ています。任天堂やトヨタなども、決算後から反発姿勢を見せ始めていますし、もちろんこのまま素直に上がるとは思っていませんが、目先を変えていく流れとしては重要かもしれません。週末は多くの企業が決算を発表しましたが、期待外れと受け取られるものもあれば、節税投資のような内容もあり、判断はかなり難しい。ただ、アナリスト目線では、やはり“新しいもの”に関心が集まりやすいんでしょうね。
今後の展望
そもそも今回の米国市場の強さというのは、単純な半導体相場ではなく、米国企業の業績が想定以上に良かったことが背景にあります。エネルギー関連まで含めて利益環境が良くなっており、関税や原油高すら、米国側から見ればプラスに働いているような空気があります。各国が高値の原油を買いに行き、中南米の資源確保まで進めていることを考えると、米国の立場としてはかなり有利なんでしょう。
経済指標を見ても、消費マインド自体は少し鈍っているものの、企業側のモチベーションは高く、インフレも抑制気味という、“強いが暴走していない経済”のような印象が伝わってきます。
ただ、新FRB議長は簡単に金利を下げられない状況に置かれているようにも見えますし、市場が期待していたほど金融緩和方向には進みにくいかもしれません。日銀も金利引き上げ方向に向かうなら、各国に投資されていた円資金が戻る可能性もあります。つまり、日本と米国の経済状況の違いが、ここからさらに鮮明になっていく入り口なのかもしれません。
米中会談も決定打のような内容ではありませんでしたし、ホルムズ海峡を押さえることで自国経済が潤う構図があるなら、トランプ大統領も簡単には片付けないだろうという見方も市場では出始めています。
最後に
とにかく、自分は来週20日前後までに市場が戻れない場合、押しが意外に深くなる可能性も意識しています。もちろん、上がればそれで良いことですし、その時はまた新しい流れも始まるでしょう。
だからこそ、今は慌てて結論を出すよりも、「のんびり見る」くらいの感覚が大事なんだと思うんですよね。
