5月15日:今日の市場の見方
非常に難しい市場が続いていますが、とにかく売った銘柄がよく上がるんですよね。そして、「売ったあとに大きく上がった株」についての質問を本当によく受けます。結局、売った理由なんて「高いと思ったから」でしかなくて、買う理由の「安いと思ったから」と、実は大して変わらないんですよ。一番質問が多いのはフェローテックや村田製作所あたりでしょうか。長く自分が押してきた銘柄ですが、本当に“売ったら上がる”という絵に描いたような展開です。
しかも、ここに来て値動きのスピード感もあるでしょう。「もう売った方がいいでしょうか?」と聞かれて、「まあ、かなり上がったからね」と返すと、「でも、本当に必要な企業ですし、良いと思うんですよ」と返ってくる。だったら「好きに持っていればいいじゃないですか」としか答えようがないんですよね。というより、自分も分からなくて売った側なんだから、逆に聞きたいぐらいなんですよ。昨日も鈴木さんとSAMCOの話をしていたんですが、「ここが良くなったから期待できる」と言われても、今回の上げは“他が悪い”という理由で買われているケースもかなり多いんです。
だから、数字自体は良くても、株価水準から見ると「決算は物足りない」という見方になることがあるんですよね。そういう中で、フジクラのように良い数字を出しても、「コンセンサスより大幅に下」という理由でストップ安になる。どう感じるかは人それぞれですが、自分は「そもそも誰があのコンセンサスを本気で信じていたんだろう」と思う部分もありますし、そもそもその数字を維持できるだけの生産体制が簡単に組めるとは思えないんですよ。半導体でも電線でも、過去のバブルを経験している企業は、在庫が積み上がった時に価格が急変する怖さを知っていますからね。だから、生産調整をしながら慎重にやっている部分があるんです。
それが、相場全体として“水準訂正”の時間帯に入ってきたということでもあり、単純なかさ上げ相場からは少し変わってきた気がします。それに、古河電工の方が先に大きなリストラを進めて収益力を高めていた、という見方もできました。そうなると、今日のキオクシア(285A)が市場期待に応えられるのかが焦点になりますが、自分としては、こういう派手な銘柄より、地味でも好業績を続けているタイプの方が落ち着いて見られる気がするんですよね。
村田製作所も安川電機も、昨年の今頃はほとんど誰も見向きもしなかった株ですからね。
