5月24日:今週の市場の見方

今週の見方

市場は相当な強さを維持しており、「非の打ち所が無い」と話す市場関係者も増えてきました。ただ、米国株の上昇の中身を見ると、少しずつ変化も出ています。以前のようにAI関連一色というより、AI関連の中でも選別色が強まり、物色対象がCPUやメモリーへと変わり始めている印象があります。

日経新聞でも興味深い記事があり、日本の大手銀行が「世界インフラ融資100兆円」という形で、発電・送電・データセンターなどへの融資を強めているとの内容でした。コロナ禍や中東問題以降、サプライチェーン分散化の流れが強まっており、その整備に日本勢が深く関わっているという構図です。米国はリーマンショック以降、こうした大型融資には慎重な姿勢が続き、「投資家探し」や運用ビジネスに重点を置く傾向が強いだけに、日本の金融機関の存在感が目立ってきたとも言えそうです。

市場の現状と課題

先日、YouTubeで鈴木一之氏が、叶内文子氏の「投資先の変遷」をテーマに話されていました。M7から為替、原油、金、そして半導体へと資金が向かったという流れですが、こうした局面では半導体サイクルへの警戒も必要だと思っています。

市場では、2027年頃には工場建設が進み供給が安定化する、2028年には不足感が解消に向かうという見方もあります。だとすれば、現在の半導体価格や関連銘柄への期待感についても、少しずつ冷静に見直していく必要があるのかもしれません。

自分の投資スタンスは昔から「弱気ではないが強気でもない」というものです。これを優柔不断と言われることもありますし、遅いとか、率直に「下手」と言われることもあります。ただ、株価が強くても危険要因が増えている時は、その先にあるブラックスワンの方を意識してしまいます。

日本人はどうしても「儲ける」という感覚で株を見がちですが、実際には山あり谷ありです。欧米のように「売らなくて良い資産を持つ」という考え方とは、少し違う部分もあります。だから、自分は危険な時ほど無理をせず、他の投資先を考える「無難さ」を重視したいと思っています。

今後の展望

野村證券のNY株サイクル論では、あと5年ほど株式市場の上昇傾向が続くという見方もあります。また、日経新聞でも外国人投資家が日本市場に集まり、大きな市場形成が進んでいるという記事が増えています。実際、今週の日経平均の目標を66000円クラスに置く関係者も少なくありません。

ただ、自分は昨年秋の急失速を忘れていませんし、6月以降はヘッジファンドの運用方針が変わりやすい時期でもあります。さらに、市場にはまだ割安な一般株も多く残されています。そう考えると、ここからは投資対象の変化や資金の流れを意識しておきたいところです。

経済自体は非常に強く、インフレ環境でもスナック菓子の売上が過去最高になるほど消費は維持されています。米国でも、インフレ懸念が語られながら購買意欲は大きく落ちていません。日経平均やNYダウとは別に、「実体経済」は意外に底堅い部分があるのだと思います。

最後に

ただ、市場が過熱している時ほど、一度ブレーキを踏んで確認する作業は必要だと思っています。車でもスピードを出し続ければ危ないのと同じで、市場も勢いだけでは長く続きません。

今は、「強いから買う」というより、どこに無理が出始めているのか、何が過熱し、何が置き去りになっているのかを見直す時間帯に入ってきたように感じます。確認作業をしながら、次の流れを待つ――そんな局面がまた来たのかもしれません。