6月21日:今週の市場の見方

今週の見方

超モメンタム市場が続いており、下がってもキオクシア、上がってもキオクシアという状況になっています。日経平均が大きく上昇した週末も、前場の時点で寄与度の高い5銘柄だけで750円以上押し上げており、それに対して日経平均は500円高。つまり、全体を見るとマイナスの銘柄も多かったということになります。

その後、リバランスや益出しの売りが市場に出始めると全体は大きく値を消しましたが、電線株の強さが残ったことで、「テック関連はまだ主役」という見方が維持されました。その結果、買いの視線は再びキオクシアの押し目へ向かうという、非常に分かりやすい循環になっています。

デイトレードの対象もある程度固定化しており、「売られても翌日は戻る」という感覚が市場参加者の中に強く根付いている印象です。そのため、「仕方がない」という声も多く聞かれます。

市場の現状と課題

ただ、市場の構造を見ると少し気になる部分もあります。

今週末には米国年金による売却が控えており、基本的には組み替えの一環と見られますが、新たにテック株を積極的に組み入れるという声は以前ほど聞かれません。むしろ、債券やバリュー株に関する話題の方が目立つようになっています。

また、配当環流の時期にも入ってきます。過去の傾向を見ると、この資金は比較的バリュー株へ向かいやすい性質があります。そのため、市場全体としてはテック一辺倒ではない流れも徐々に意識され始めているように見えます。

それでも電線株が崩れなかったことで、「テックの循環買いはまだ続く」という見方が残りやすい状況です。しかし、単純に半導体の数量だけで将来の利益を考えることは難しく、長期的な視点や安全性、資金調達環境なども加味して考える必要があるでしょう。

今後の展望

現在の市場は、半導体需要の拡大を前提に動いていますが、SOX指数を見ても、仮に大量生産の局面に入ったとして同じ価格水準が維持されるかどうかは別の話です。

そこは人間とAIの見方の違いでもあり、現状の市場を牽引している要因の一つでもあります。AIは足元の数字や勢いを重視しますが、実際には価格競争や設備投資負担、資金コストといった要素も存在します。

市場全体としては、デッドクロスを作らないようにギリギリのところで主力銘柄を選択しながら指数を支えている印象もあります。そのため、指数は強く見えても、市場全体の広がりという点ではまだ十分とは言えない状況かもしれません。

最後に

データセンター向け投資を進める企業も多いですが、その代表格であるソフトバンクを見ても、資金調達環境は以前ほど簡単ではなくなってきています。

実際、各所で少しずつ課題や負担が見え始めており、市場はそれを十分に織り込んでいるとは言い切れません。だからこそ、今のようなモメンタム相場の中でも、目先の値動きだけではなく、資金の流れや業績の質、安全性といった部分にも目を向けておきたいところです。

指数の強さと個別株の実態に温度差がある相場だからこそ、どこに資金が向かい、どこから資金が抜けているのかを丁寧に見ていく必要があると思います。