7月5日:今週の市場の見方
今週の見方
6月の日本株市場では日経平均が史上初の7万円台を突破し、AI半導体関連が相場を主導した。テーマ主導の上昇は構造的な中長期テーマとして継続するという見方も多く、当面は関連セクターを強気に見る声が多いことは否定できない。一方で、日銀の利上げ継続を背景に銀行株にも追い風が続いており、そこへ中東情勢の落ち着きによる原油安という見方が加わるのが、現在の市場の基本シナリオだろう。
ただ、筆者が再三指摘してきたように、半導体価格には変化の兆しも見え始めている。儲かる品物は増産に向かうという、過去の半導体業界で繰り返されてきた流れを思い起こさせるような韓国企業の増産姿勢も見られる。そうした状況になれば、半導体関連でも取捨選択が進み、物色の変化が起こる可能性がある。そうした広がりが出始める方が、市場全体としては底堅さにつながるという見方をしている。
市場の現状と課題
物色が広がってくると、今度は日経平均そのものの動きは読みづらくなる。その一方で、これまで相対的に出遅れていたセクターのリビジョン改善につながる可能性もある。筆者流に言えば「対角の好業績」というジャンルである。特に、27年3月期第1四半期決算以降、JGB10年債利回りの上昇懸念や原油高によって評価が抑えられてきたセクターには注目している。
また、日経平均の到達水準についても、市場関係者の見方にはかなり差が出始めている。足元の上昇を受け、年末の日経平均を75,000円前後、TOPIXを4,300ポイント前後、強気では81,000円、4,500ポイント程度と見る向きもある。一方で、アナリストが目標株価や利益成長から積み上げた理論値では、75,223円前後は概ね一致しているものの、最大値では97,964円と、10万円に迫る水準を示すケースもある。
今後の展望
ただ、この違いは考え方の違いでもある。アナリストは個別企業の目標株価を積み上げるため、高い理論値になりやすい。一方、市場関係者は地合いや需給を重視し、シナリオが変われば自らの予想も柔軟に修正する傾向がある。
その意味では、夏場はETFの配当捻出売りやリバランスといった短期的な需給要因を意識しながら見ていく局面になりそうだ。そして第一四半期決算では、コンセンサスを上回るか下回るかだけではなく、その収益が一時的なものなのか、継続性があるのかという視点で整理していきたい。
最後に
こうした難しい局面でも、市場関係者に強気な見方が多いのは、根底に景気の強さという裏付けがあるからだろう。現状のような景気環境であれば、金利上昇もそれほど大きな懸念にはなりにくいという見方がある。
ただ、一点だけ気になるのは、金利上昇がQT(量的引き締め)による需給変化から来る場合である。その場合は、本来の「金利上昇=株安」という構図に戻る可能性もある。現時点ではそこまで確認できる状況ではないが、外資系投資家もまだ強く意識している段階ではないように見える。
トランプ政治は相変わらず読みにくい部分も多いが、米国景気そのものは堅調で、日本もその恩恵を受けている。テックの発展は政策だけではないにしても、背景にはそうした政策面の影響もあるのだろう。本格的に考えることが増えてくるのは、中間選挙後になるという見方をしている。
基本は、高市政策という軸をベースに市場を見ていきたい。
