6月28日:今週の市場の見方
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今週の見方
市場は韓国企業の数千億ドル規模の新規投資計画を発表するとの報道をそれほど気にしていないように見え、半導体株の変調も比較的軽く受け止められている印象があります。ただ、これは半導体全体が悪いという話ではなく、物色対象が変化しているという側面が強く、残る企業も少なくないと思います。しかし、ここまで気楽に買われてきた市場だけに、一度状況を確認する時間は必要ではないでしょうか。
韓国企業はエヌビディアと複数年契約を結んでおり、市場の強気の背景には、「複数年契約があるからシリコンサイクルは起こりにくい」という安心感があります。ただ、以前から書いているように、エヌビディアの新製品への切り替えが想定ほどスムーズではない可能性もありますし、高価格化によってPCなどの価格上昇も避けにくく、単純に世代交代が進む環境ではないようにも感じます。毎回のことですが、新製品投入直後は粗利益率が一度低下する傾向もあります。
市場の現状と課題
週末のNY市場では、サムスン電子が大型投資を発表するとの見方が広がっています。半導体製造装置への投資拡大という話ですが、市場では「製造装置が売れる」という見方よりも、「供給が増えれば価格が低下するのではないか」という受け止め方が広がり、テック株が軟調に推移しました。
こうしたネガティブな反応が出始めている以上、供給能力に一定の制約がある日本企業についても、すでに2年先の収益まで織り込んできた株価に無理がないか、一度確認する局面に入っているように思います。市場全体が下落するとは考えていませんが、集中投資が続いた後の雰囲気は、ITバブル初期の最初の天井局面と少し似た印象もあります。
今後の展望
そう考えると、今後はAIそのものではなく、AIを活用して収益を上げる企業や、発電、化学など周辺分野へも視野を広げることが大切になってくるのではないでしょうか。
そのような物色が進むのであれば、一般的なバリュー株にも十分目を向ける余地があります。個人投資家の配当環流資金は、過去の傾向を見るとバリュー株へ向かいやすく、7月10日前後にはETFの配当捻出に伴う需給も意識される時期になります。また、同じく10日にはTSMCの月次売上が発表される予定であり、その内容によってテック株の見直しや今後の方向性を考える材料になる可能性があります。
金融株のように、半導体関連に続いて好決算が評価されてきた銘柄についても、今後の金利動向を踏まえながら見ていく価値はありそうです。
最後に
ようやく市場と対話しながら投資を考えられる環境になってきた、という印象があります。ただ、この市場は期待をあっさり裏切る場面もありますし、一度調整が始まると値幅も大きくなりやすい特徴があります。
だからこそ、目先の値動きだけを追うのではなく、需給や業績、時間軸も意識しながら、一つ一つ確認していく姿勢が、これまで以上に大切な局面になってきたように思います。
