7月12日:今週の市場の見方

今週の見方

先週は一難去ったようにも見えましたが、市場ではETFの配当金捻出売りが引けに影響を与える局面が続き、この需給要因は無視できない状況になっています。特にキオクシアのチャートや出来高を見ると、あれだけ膨らんでいた売買が落ち着き始め、引け味にもやや弱さが見えてきました。もちろん、あれだけの出来高が続いていたこと自体が異常だったとも言えますが、この傾向が配当金捻出売り終了後も続くようなら、市場の見方も少し変わってくる可能性があります。

市場の現状と課題

そうした需給を踏まえると、一段低い水準まで意識する見方が出てくるのも理解できます。特に、6506安川電機の決算が市場予想を下回るような内容になれば、フィジカルAI関連全体への見方にも影響が及ぶ可能性があります。

筆者自身は弱気ではありません。ただ、以前から指摘してきたように、一部レポートで示されていた強気の数字には無理があったと感じています。フィジカルAIはまだ発展途上の分野であり、省人化を本格的に進めるには機械そのものの刷新も必要になります。スマートフォンもそうでしたが、新技術は普及初期ほど価格が高く、技術面も成熟途上です。そこへ欧州景気の鈍さなどが重なれば、安川電機の決算内容もある程度説明がつくのではないでしょうか。

こうした先回りの買いが進んでいた分、相場全体では一定の調整も視野に入れておく必要があります。SQを通過し、外資系の関心も日経平均そのものからやや離れやすい時期です。加えて海外勢のバカンス、日本ではお盆休みを控える季節でもあり、一方向に動きやすい地合いには注意したいところです。そのため、ここからは攻めと守りの両方を意識した対応が必要だと考えています。

今後の展望

一方で、日経平均は目先の調整を経て、これから本格化する第一四半期決算を迎えます。市場の関心が高いのは、やはり半導体関連に加え、銀行や不動産といった好業績セクターでしょう。これらが市場を支える展開になれば、日経平均への期待が再び高まる可能性があります。そうなれば、新高値を試すような場面があっても不思議ではありません。

夏場は8月頃まで市場参加者が限られやすく、一方向に動きやすい傾向があります。そのため、サムスン電子の好決算が十分評価されない、あるいは台風の影響で13日に延期となったTSMC決算への市場反応が鈍いようなら慎重な見方も必要でしょう。一方で、良好な反応が確認できれば、市場は業績を改めて評価する流れに戻る可能性があります。その場合は、半導体全体というよりも、実際に利益を伸ばしている企業や高シェア企業へ物色が広がる展開が自然ではないかと考えています。

最後に

先週の相場は、傍から見る以上に現場では神経を使う非常に疲れる市場でした。ただ、それでも弱気にならない理由があります。それは需給面での売買は激しくても、市場全体から資金が外へ流出しているわけではないという点です。

だからこそ、今の相場は需給やテクニカルに振られやすい一方で、買われ過ぎや売られ過ぎを繰り返しながら動く市場になっていると感じています。そうした特徴を理解しながら、決算内容と企業の実態を丁寧に見極めていくことが、これからの相場ではより重要になってくるのではないでしょうか。