6月9日:今日の市場の見方

反転したこと自体は良いのですが、昨日は教科書通りともいえる買いが入っていましたから、当然ながら利食いも出やすい局面だと思います。ロールオーバーも控えていますし、今日は少し難しい日になるような気がしています。

気になるのは、投資家がマネーゲームに徹し始めていて、世界の株価全体を見る意識が薄れてきていることです。あれだけナスダックが下落したにもかかわらず、昨晩の日本株先物があそこまで強かったのは、少し過敏な反応にも見えました。

もちろん、それだけテック株への期待が大きいということなのでしょうし、日経平均への影響力も大きいのでしょう。韓国市場などを見ても、かなり勢い任せの展開になっているように感じます。

ただ、今回の動きで改めて分かったのは、集中投資型の市場にはこうした反落がつきものだということです。どれだけ「良い株式」であっても、「買いにくい」という感覚が市場に広がれば、一時的とはいえ下げやすくなります。だからこそ、ここからは物色の裾野が広がるかどうかを見ていく必要があると思います。

特に2月決算銘柄の食品関連などは、イラン情勢などもあって慎重な見通しを出している企業が少なくありません。また、配当環流が始まる時期になると、配当を受け取った資金が別の低迷株へ向かうこともよくあります。そう考えると、これまで見向きもされなかった銘柄に目が向く展開があっても不思議ではありません。

加えて、値上げ効果が業績に反映されてくる企業も増えています。もちろん赤字を補うための値上げではなく、人件費の上昇や設備投資への対応、あるいは従来の利益水準を維持するための価格改定という意味合いが強いものです。本来の収益力を保つための値上げであり、単純なコスト転嫁とは少し性格が異なります。

実際、前期の好業績の背景には、こうした価格改定の効果が大きかった企業も少なくありません。そうした銘柄にも市場の目が向くようになれば、相場全体としては健全さが増してくるように思います。

とにかく、これまでのような近視眼的な物色だけが続くのであれば、1カ月後に再び似たような下落が起こる可能性もあります。その時は今回のように教科書通りの反発になるとは限りません。

テック株が利益を生んでいることは事実です。しかし、その需要がどこまで続くのか、どれほど先の成長を織り込んでいるのかについては、いつの間にか誰も計算しなくなっているような気もしますからね。